相続を争族にしないため、ここでは相続争いに発展しやすい7つの原因をご紹介したいと思います。まずはどこに危険が隠れているかを理解することが有効な対策に繋がります。

 

①    遺言書がない

遺言書がない場合、亡くなった人の思いを知る術がありません。

そして、相続人が思う亡くなった人の意思はバラバラです。

故人の思いが分からない、これはあらゆる争いの根幹をなすものと言えます。

 

②    相続人の一人が故人の介護をしていた

家族の一人が被相続人である故人と同居していたとか、介護が必要になって世話をしていたという場合、その負担を評価することは困難です。介護していた人にとってはその大変さを遺産分割の際にわかってもらいたいと思うのは当然ですが、他の相続人も同じように考えるとは限りません。その上、故人が生前、ちょっとした愚痴をこぼしていたことがあった、などとなると、世話の仕方の是非などに話が大きく膨らんでしまい、争いに発展してしまうこともあります。

 

③    相続人の一人が生前に財産等をもらっている

子供が3人いるが、そのうちの一人が、例えば家を建てる際の資金援助を受けていたとか、留学費用を出してもらっていたとか、兄弟の間で最終学歴にバラつきがあるとか。

そのようなことが原因で相続争いになってしまうケースも珍しくありません。

兄弟がいる場合、どの兄弟も、生前の親から全く同じだけ可愛がられたとか、お金を掛けてもらったということはないでしょうから、このような原因で相続争いに発展してしまった場合には後々まで引き摺ってしまう事になりかねません。

 

④    不動産など分けにくい財産がある

分けにくい財産、例えば不動産や、故人が経営していた会社の株、美術品や骨董品などが挙げられますが、これらは公平に分割することが困難です。また、分けやすい財産である現金・預貯金などがたくさんあれば、その分け方で調整を図り、全員の納得を得ることもできるかもしれませんが、分けにくい財産が相続財産の大半を占めている、などというケースでは容易に相続争いに繋がってしまう危険があります。

 

⑤    遺言書が遺留分を侵害している

配偶者や子(直系卑属)には遺留分というものが認められています。

仮に相続人が配偶者と子二人だった場合、子にはそれぞれ法定相続割合の1/2、つまり1/8づつの遺留分という、最低限認められた相続権があるのです。

それを侵害する内容、例えば妻と子のうちの一人に全てを相続させ、子のうちの一人には相続分を与えないという遺言書を作成することもできますが、遺留分を侵害された相続人は望めば裁判所に遺留分侵害額請求を申し立てることができるのです。争いになるのはいうまでもありません。

 

⑥    相続人の家族の口だし

相続人の家族、例えば配偶者の口だしがきっかけで争いに発展する場合もあります。

これには様々なケースがありますが、兄弟の仲が良くても、それぞれの配偶者との関係が平素良いものであったとしても残念ながらその可能性はあります。

例えば、相続人のうちの一人が病気療養中で働くことができず、配偶者や配偶者の親族を頼っている場合を考えてください。そのような場合、配偶者が当事者として口を出してきたとしてもおかしな話ではありません。そして利害関係者が増えれば増えるほど、そこには争いの種があるのです。

 

⑦    相続人の一人が故人の金銭管理をしていた

故人が相続人のうちの一人と同居しており、金銭管理をしてもらっていた。そんなケースは珍しくないかもしれませんが、やはり争いに発展するケースの一つです。

金銭管理がどのように行われていたか、受け取っていた年金がどのように使われていたか、出納帳をつけるほどの管理はしていなかったなどの場合は特に危険です。

大切にしていたはずの高価な腕時計が見当たらないとか、骨董品が売却されてしまっているとか、見えない、分からないものには疑心暗鬼になってしまっても不思議はないでしょう。

 

以上、7つの原因を挙げてみました。

もちろんこの他にも原因となりうるものはありますし、それらが複雑に絡み合って大きな争いに繋がる場合もあります。

そして、これらのうちの多くは事前に対策を打っておくことで避けられるものなのです。

自分自身が原因で残された家族が争ってしまうなど、想像したくもない最悪の事態です。私たちが家族のために残してあげられるのは財産だけではありません。温かな家族関係を残すために、今、できることを考えたいものです。