成年後見制度は、精神上の障害など(認知症、知的障害、精神障害等)によって、判断能力が不十分であるために、契約など法律行為の意思決定が困難な人の能力を補う制度です。 本人の権利を守る援助者(成年後見人等)を選ぶことによって、本人を法律的に支援していきます。

この制度は、本人に代わって法律行為を行う事務であるため、身の回りの世話(身体介護など)は含まれません。

 

財産管理と身上監護

成年後見制度で代理できる法律行為は、「財産に関する法律行為」であり財産管理と身上監護の2つがあります。 財産管理とは、現金や預貯金の管理、年金の受取り、公共料金の支払い、不動

産の処分や賃貸契約といった、重要財産の管理・処分に関わる行為。相続の放棄・承認や遺産分割など、相続関連の財産処分に関する行為があります。 身上監護とは、日常生活や病院などでの

療養看護に関わる法律行為で、日用品の買い物や、介護サービス等の契約、要介護認定の申請、福祉施設等への入所契約、病院への入院契約などがあります。

 

後見制度の種類

後見制度には、任意後見制度と法定後見制度の2種類があります。

 

●任意後見制度・・・判断能力が不十分になる前に

将来、判断能力が不十分となった場合に備えて、自分自身で援助者(任意後見人)や、支援をして欲しいこと(代理行為)を、契約で決めておきます。

 

●法定後見制度・・・判断能力が不十分になってから

家庭裁判所に審判の申立てを行うことによって、選任された成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が援助を行います。本人の判断能力に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つの類型があります。